Miss you・・・
何がどうなったのか・・・結局私は一言も口を出さないまま、吉田さんたちは行ってしまった。

吉田さんたちが見えなくなると、私は無意識に止めていた息を、ふぅっと吐き出した。
そんな私を見た蘇我さんはククッと笑うと、私の左手を優しく握って「行くぞ」と言った。

「吉田さん、もう何もしてこないですよね」
「あのじーさんは、自分で言ったとおり、他のもんには手を出さない。俺のならなおさらだ」

というより、相手が蘇我さんだからという理由で、私は納得した。

「吉田さんのこと、ご存知だったんですか」
「昔からの知り合いだ。明、もっとこっちに寄れ。車道に近い」と蘇我さんは言うと、つないでいた明の手で、明を自分のほうに引き寄せた。
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