影喰い


引っ張られてきた先頭は懐中電灯で照らされている為やはり明るい。

と言うかこのメンバーで懐中電灯を持ってきているのが発案者の彼だけというのもどうなのだろうか。

ふとそんな事を今更ながらに思い、携帯の電灯を灯火させた。


「おっ!やっぱ電気あればあるほど明るいな!見ろよ、この部屋かなり広いぜ」

「ありゃ、本当だ」

「なんかありそ〜〜」


ニマニマとしながら彼は躊躇なくその広い部屋に足を踏み入れる。

また、ギシッと床が軋んだ。

再び嬉々としだした彼女に引き連れられて私も続く。

そう言えば後の二人はと後ろを振り返れば彼等もまた携帯の電灯を起動していて、好き勝手に撮影しているようだった。

放っておいてもいいだろう。しかし、緊張感も何もない肝試しだと飽きれてしまった。


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