石田先生、天使になる⁉︎
「ヤ、ヤンが整形だとー⁉︎」
今にも殴りかからんとするパクさんを引き止める。
「先生、謝って下さい‼︎そんなウソを__」
ここまで言って、僕は後ろの先生を振り返った。
そういえば、先生はウソをつかない?
「だって、あの韓流のアイドルグループKATURAだって、ウニョン以外は整形してる。韓国人の女性にとって、整形はメイクみたいなものだよ」
「そんな__」
さっきまで勢いはウソのように、パクさんがおとなしくなった。
こ、ここはチャンスなのではないか‼︎
どれだけ天国が心休まるところかを熱く訴えて、迷える子羊を救うのだ。よし、いかに天国が素晴らしいところかをまず__。
「川村くん、女子をセッティングしてあげなよ」
「女子?」
「いいところ見繕ってさ。パクさん、どんな子がタイプなの?」
いつの間にやら、先生がパクさんの肩を抱き、怪しく声を掛けている。
「胸が大きい子がいい。もちろん整形じゃないやつ」
「1ついいこと教えてあげよう、パクさん。整形するということは、自らを偽るということ。そんな女性は天国には1人もいない。みんなナチュラルさ」
「ナチュラルボイン?」
「ナチュボナチュボ。川村くん、ナチュボイン限定コンパを頼むよ。そうしたらパクさん天国に来るって」
「はぁ」
それしか出てこない。
しかし、どういうワケか、パクさんはニコニコ顔で天国に来る気満々。せっかく、いかに天国が良いところか伝えようと思ったけれど、結果オーライなのか?
「Gはないよ。Gまでいくと現実味ない。形のいいDが理想かな」
カップの話をしている、まるで天使らしくない石田先生を、僕はぼんやりと眺めていた。