石田先生、天使になる⁉︎
石田先生、国会へ⁉︎


声。それは目には見えない。すべての音に声があるように、言葉は魂を紡ぎ出し言霊となる。念じた思いは色を纏い、渦を成し、やがて旅立とう。七色。深い闇に囚われた黒、純潔だと訴える白。しかし、ある姑はこう記している、白は必ずしも正義ではないのだと。鶴の一声、たゆたうさざ波に希望を乗せれば、広大な海を越えていくだろう。険しい谷を飛び越え、気高き山を乗り越える。そして果てない空にさえも届くのだ。胸に抱きしわずかな光を解き放つ時がきた。声の花を咲かせよう。思いの丈を叫ぶのなら、この世界をも揺るがすことができよう。常識を非常識に、不自由を自由に、私を貴方に、貴方を私に。声を上げさえすれば、不可能を可能へと__。


「先生、折り入ってちょっとお願いがあるんですけど?」


「断る‼︎」


「早くないですか?娘さんを僕に下さい‼︎と、父親に頭を下げたシチュエーションの断る‼︎ですよ」


「折り入ってちょっとお願いに、ろくな話はない」


「これは先生にしかお願いできないんです。議員として大活躍された石田先生にしか」


「話してごらん」


「切り替え、早くないですか?いや、実は天国会でのプレゼンに是非、先生のお力添えをお願いしたくて」


「天国会?国会みたいなもん?」


「そうなんですよ。どちらの法案が選ばれるかの瀬戸際なんです。議員だった先生の力なら__」


「無理」


「だから早くないですか?」


「川村くんを助けてあげたいところだけど、実質、議員の仕事やってたの、僕じゃなくて秘書のサッちゃんだったからさ。サッちゃん居なかったら無理だよ」


「それならご心配に及びません」


「へっ?」


「せんせーい‼︎お久しぶりですー‼︎」


「わんわん‼︎」




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