石田先生、天使になる⁉︎


「もう、ゴボちゃんで良くない?」


そう根を上げた先生。


僕たちは一から天国会マスコットを練り直すことにした。


ゴボちゃんとは、あのゆるキャラ界の異端児だ。


「先生、天国と関係ありませんよ」


「じゃ、半蔵にする?可愛いからカレンダーとかグッズの売り上げも見込めると思うだよ」


「無理です。あまりに黒いですから」


「じゃ、サッちゃん、なにか思いついたの?」


「私に任せて下さい‼︎」


自信たっぷりの様子だ。


もうあまり時間がない為、ぶっつけ本番でゆるキャラコンテストに出ることになる。だが、信じてみよう。


あのゴボちゃんを自ら演じ、世に送り出した天才だ。


きっと救世主となるに違いない。


そして当日、サッちゃんさんは僕たちの前に現れた。


ゆるキャラの着ぐるみを着て_。


「えっと、どうしたらいいんだろう?」


石田先生は困ったように僕を見た。いや、困ってるのは僕のほうだけど?


「確かに一口で食べられますけど」


「パクパク食べられて、みんな大好きですよ‼︎」


「サッちゃん、そもそもどうしてそうなったの?」


「分かりませんか?天国といえば天使飯、天使飯といえば天津飯、天津といえば天津甘栗。というわけで、甘栗ちゃん、ここに参上ー‼︎」


まんま栗の格好をしたゆるキャラが、自信満々に叫んだ。


「これ、ゴマが飛ぶんです‼︎」


ブワっ、とゴマが飛んだ。


いやいや待って。グリーンピースより地味じゃね?


しかも栗にゴマって、パンじゃね?


てか、これなくね?








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