石田先生、天使になる⁉︎
石田先生、宇宙へ⁉︎
友。それは掛け替えのないもの。世に1つしかない宝。掛けて替えることは赦されない、友の情。共に喜び、友に怒り、共に哀しみ、友と楽しむ。他愛もない日常に溶け込む、他愛もない友は時に形を変える。たくさん集まれば仲間となり、同じ志を抱けば同志となり、やがて1つの国をも動かすであろう。小さな魂と魂が共鳴した時、信じ難い力を生み出す。命を投げ出すからだ。命を投げ出す覚悟で、共に友と戦うからだ。護りはなにより強固。愛する友を守るためなら、この我が身を捧げる心、それが鉄壁の守りとなり敵対心を失わせる。気づけばずっと隣にいた。隣同士で思い合っていた。この身を捧げても君を__。
「絶対に仲間になってくれるはずだ。彼女と僕の付き合いだからね、まず間違いないよ」
そう言って先生は、新築のチャイムを鳴らした。
僕たちが降り立った地球は、宇宙人の襲撃を受けてはいるものの、なんとか踏み止まっている。
これなら間に合うだろう。
先生と、先生が信頼する仲間と共に、半蔵を守るべく戦うのだ。
ガチャ。
ドアが開いた。
ほんの僅かな隙間から、見覚えのある瞳が__。
ガチャ。
ドアが閉まった。
とても静かに、けれど迷いが全くない。
「あれ、なにかセールスと勘違いしたかな?」
「外が物騒なんで警戒してるのかもしれません」
「そうだね。もう一回」
先生がチャイムを鳴らす。
1度、しばらく経ってから2度目を、3度目も虚しく鳴り響くチャイムの音に、先ほどの瞳が幻想だったかと思えてしまう。それくらいの静けさが漂っていた。
「おかしいな?サッちゃん‼︎僕だよ、石田先生だよ」
「__留守です」
ドアの向こうから、確かに声が聞こえてきた。
「サッちゃん‼︎今さっき目が合ったじゃないかー」
「だから留守ですから」
はっきりと言い切る、元秘書。
「留守だってー」
かなり嫌われている、元議員。