石田先生、天使になる⁉︎
半蔵が乗って来たという宇宙船で、故郷に向かうことになった。
まずは、両親を説得して地球への攻撃をやめさせること、そしてこのまま半蔵を連れ帰らないように拝み倒すこと、この2点なのだが__。
「えーと、サッちゃん隊長いいかな?」
「石田くん、発言を認めよう」
「なんでみんな被り物してるわけ?」
甘栗ちゃん担当の石田先生は訝しげに、なんか茶色いタイツ姿のサッちゃんに尋ねた。その様子を眺めている僕は、なぜだか天使飯だ。
「敵を油断させる為です。ゆるキャラのホワワンとした感じは、全宇宙共通ですから」
「君のはちょっとなんだか、哀愁が凄いけど」
「本人が恥ずかしがってはゆるキャラにあらず‼︎」
「名言‼︎というか、自分に言い聞かせているだけのような気がしないでもないけど」
そうこうしているうちに、半蔵の生まれ故郷にたどり着いた。
出迎えてくれたのは、ドロドロしてデロデロしてギトギトした触手だらけの宇宙人。
「あれが両親だよ」
パグが、然(さ)もありなんと言った。
「ちょっとグロテスクだね。もしかして半蔵、君もあんななの?」
「本来の姿に戻ろうか?」
「いやいい‼︎」と、ゆるキャラは一斉に叫んだ。
「隊長、ここからどうする?」
「とりあえず一歩、前に進みましょうか」
3人のキャラは、それぞれ前に__栗はバタン‼︎と倒れた。それもそのはず、栗は三位一体、あの大きさはとても動かせない。そしてそれを庇おうとした天使飯も巻き添えをくらったが、それより早く宇宙人にパクリと__。
「食べ物だと思われたみたいだね」
半蔵、肩をすくめるお得意のポーズ。
「そ、そんな__」
「大丈夫だよ、まずいからすぐに吐き出されるから」
「違うの。私だって立派な食べ物なのに。ゴボウは繊維が豊富でお通じにもいいのに」
「そっちかい‼︎」