石田先生、天使になる⁉︎


もう遠く遠く、それぞれの在るべき形に戻りかけていた半蔵が、ビクリと振り返った‼︎


「お前が居ないなら、この宇宙なんて滅べばいい‼︎」


「せ、先生なにを⁉︎」


「僕には関係ない‼︎地球なんかどうなろうと、知ったこっちゃない‼︎お前が側に居るか居ないか、それしか興味がない__お前が1番、大事なんだ‼︎」


先生は、うそはつかない。


いつも本音で生きている。


だからこれが先生の、本当の気持ち。


駆け出す先生と、すでに走り寄ってくる半蔵。


その向こうからは、多量の宇宙人が波のように襲ってくる。


「あの隊長?あれ、怒ってますよね?」


「見るからにそうね」


「ど、どうします?攻撃しますか?」


「そのグリーンピースで?それとも、私の灰汁で?」


「逃げるという選択肢は?」


「だって、あなたもう亡くなってるんだし。私も、もし今逃げて、自分だけ助かるのも寝覚めが悪いし」


「隊長、男っス‼︎」


「行くわよ!グリーンピース!」


「はい‼︎どこまでも!」


僕たちも、真っ向から突っ込んでいった。


ちょうど、飛びついてきた半蔵を、石田先生ががっつり抱きしめたところだ。


あんなに激しい顔舐めは初めて見た。


ごろごろっと地面を転がっている。


「半蔵ちゃんは宇宙1可愛いでちゅねー♡」


恐らく、言葉がわかることなど忘れているのだろう。


飼い主とペットの関係を凌駕したイチャつき。


「お前の居ない世界に意味なんてない‼︎滅ぼしたかったら滅ぼせ‼︎」


そう堂々と宣言した、石田先生であった__。



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