機動装甲
「ハイバスターランチャーですか!?」

返ってきたオペレーターの声は裏返っていた。

…ハイバスターランチャー。

コテツブレードと同様、帝重工が開発を進めていた機動装甲用重火器。

高出力の重金属粒子を撃ち出すロングレンジキャノンであり、その威力は最大出力ならば核シェルターすら貫通するという。

「ハイバスターランチャーならばSフィールドも貫ける」

「しかし、まだあれは開発途中の武装です。最大出力でも本来の60%程度の出力しか出ませんし、一発しか撃つ事が…」

「一発撃てれば十分だ」

俺はMk―Ⅱで上空を見上げた。

…テロリスト機は再び急降下を開始している。

「急いでくれ」

俺はスラスターを全開にしてテロリスト機に突っ込んだ!

コテツブレードを振り上げ、テロリスト機のゴーグル状の眼が鋭く光る。

俺はビームライフルで牽制しつつ、進路を急激に変えてその斬撃を回避した。

急旋回で内臓がねじれるような感覚。

凄まじいGで気絶しそうになる。

それでもメインレバーは放さない!

フットペダルを更に踏み込み、テロリスト機を引き離す。

しかし。

「!」

更なる推力を以って、テロリスト機は肉薄してきた!

「Mk―Ⅱを追い詰めるほどの飛行速度だと!?」

テロリスト機の振り下ろしたコテツブレードが。

「!!」

Mk―Ⅱの可変翼にかすめた!

< 17 / 23 >

この作品をシェア

pagetop