機動装甲
途端にMk―Ⅱが機体制御を乱す。

ガクリと機体が沈み込むような感覚。

Mk―Ⅱはきりもみ回転しながら落下していく。

警告音がコクピットに鳴り響く中、テロリスト機が急降下しながら接近してくるのが見えた。

「…やらせるかよ!」

俺は必死に機体を立て直し、地面への激突を何とか免れる。

そして接近してくるテロリスト機に敢えて背中を向け。

「くらえ!」

スラスターの高出力のジェット噴射を浴びせかけた!

下手な火器よりも強力な出力だ。

Sフィールドに守られているとはいえ、テロリスト機を怯ませるには十分だった。

その隙に俺は再び上空へと上昇する。

…奴が火器を装備していなくて助かった。

あのスピードで火器でも持っていれば、今頃は既に撃墜されているに違いない。

体勢を立て直したテロリスト機は、またもMk―Ⅱを追って飛び立っていた。

「くそ…」

思わず舌打ちする。

いつまでも逃げ切れるものではない。

追い詰められる前に何とかしなくては。

その時だった。

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