復讐劇は苦い恋の味
私と君嶋くんの関係は、なんて言えばいいんだろう。

お見合いした仲? デートは三回したけれど、付き合っているわけではない。

それになにより彼は本当の私を知らない。

こんな私と彼の関係をなんて言えばいいんだろう。

グルグルと考えていると、朋子は痺れを切らしたように言った。


「とにかく気をつけること! せっかく初めて芽生えた感情を大切にすることだけを考えなさい! ……いいじゃん、もう復讐とか過去のこととか、全部なかったことにしてさ。今までたくさん苦労して辛い思いもしてきたんだから、幸せになっていいんだよ。っていうか美空は幸せになるべきなの!!」


最後に朋子は「わかった!?」と言うと、一方的に話しを終わりにし、またうどんを啜り始めた。

「もう二十八歳なのよ? 恋愛たくさんしないでどうするのよ。でないとあんた、この先もずっとひとりになっちゃうわよ?」

「……嫌なこと言わないでよ」

正直、圭が大学を卒業してからそんな未来が来るのではないかと、ヒヤヒヤしているというのに。

ジロリと睨むと朋子は苦笑いした。
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