復讐劇は苦い恋の味
「小学生の時からミニバスをやっていたんです。中学・高校でも続けていました。これでもけっこううまかったんですよ?」

「……そうだったんですね」

知ってるよ。だって君嶋くん、学年だけではなく学校の中でも目立っていたから。


「先輩たちともバスケを通して仲良くしていて。……でもそれが同級生から見たら、先輩と仲が良い俺に逆らうとまずいと思ったんでしょうね。クラスメイトたちは慕ってくれましたが、建前上だということは幼いながら感じていました」

驚きを隠せない。とてもじゃないけれど当時の私の目には、そんな風には見えなかったから。


「でもそれに気分を良くしていた自分もいました。……当時の俺は随分天狗になっていましたよ。今でも後悔していることを沢山しましたし」

ドクンと胸が高鳴る。

今でも後悔していること? それってもしかして、私のこと……だったりする?

胸が騒つく中、彼は話を続ける。

「平気で人を傷つけることもしてきました。……本当、幼かったとはいえ、昔の自分が恥ずかしいです」
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