復讐劇は苦い恋の味
後悔しているって言っていた。だったら、ちゃんと私のことも思い出して欲しいって思っちゃったんだよね。

そうすればトラウマも癒される気がしたから。……それに――。

「それと変だと分かっているよ？　分かっているんだけど……」

「な、なによ」

前置きする私に朋子は怪訝そうな顔を見せる。そんな彼女に正直な気持ちを吐露した。

「君嶋くんのこと大嫌いなのに私……ドキドキしちゃったんだよね」

ボソボソッと早口で言うと、途端に朋子は目を丸くさせた。

「え……ドキドキって、あの恋愛のドキドキ？」

目を瞬かせながら聞いてきた朋子に、居たたまれなくなり視線を落とした。


「いや……恋愛のっていうか、その……だってさ君嶋くん、歯が浮いちゃうようなセリフばかり言うから。だからちょっと不覚にもときめいちゃったんだよね」

本音を零すと、朋子はますます目を見開き押し黙ってしまった。

いつもガ―ッと言ってくる朋子がなにも言わないと、ますます居心地が悪くなる。

「……なにか言ってよ」

チラッと彼女を見るとハッとし、朋子は恐る恐る聞いてきた。
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