イタズラ仕返し大作戦!
理久は優しく私を抱きしめた。
やっぱり、理久のほうが落ち着くなあ。
「理久って、本当に私のこと好きだったんだね」
「おぉー。柚月ちゃんの笑顔、可愛い」
「見てんじゃねーよ」
小沢君の言葉を聞いた瞬間、理久の腕の力が強くなった。
「つーかお前、それが知りたくてこんなバカなことを?」
「そうだよ?」
身長差が二十センチくらいあるから、私は理久を見上げた。
すると、理久の顔が真横に。
「可愛いな」
そして、耳元でそう囁かれた。
もう……
「理久、大好きー!」
私は理久の後ろに手を回す。
「知ってる。ま、俺のほうが好きだけど」
「えー?」
「そうだ、柚月」
また理久の顔が近付いてきたと思えば、理久にキスをされた。
「え、え?」
「イタズラの仕返し」
そう言って、理久は舌を出した。
この顔、結構好きだなあ。
ていうか……廊下で人がたくさんいるっていうのに……
でも、嬉しいな。
作戦成功したし。
理久、大好きだよ!
《End》