15歳、今この瞬間を
「もっと自分に正直になっていいと思う」
「…!」
はっとしたような顔をした夢希の瞳は涙をためていて、それが流れ落ちるのに多くの時間を必要とはしなかった。
「楽しかったね、リョウくん」
「あぁ、また来ような」
コアラを見た後、順番にキリンなんかを見て回ってから、夢希の見たがっていた(イケメンゴリラと話題らしい)シャバーニを見て、それからカメなんかも見た。
帰る頃にはクタクタで、夢希は電車の中でウトウトとしていた。
「……」
電車に揺られながら小さく息を吐いた俺は、斜め下にいる夢希を静かに見ていた。
俺がこれまで夢希に言ってきた言葉は、全部ロウの受け売りだ。
でも結果、それがいつも夢希の心を掴んでいる。
やっぱりロウの洞察力は鋭く、これだけは敵わないと今でも思う。
「夢希、起きて?」
最寄り駅に着き、俺は優しく夢希を起こした。
「…!」
はっとしたような顔をした夢希の瞳は涙をためていて、それが流れ落ちるのに多くの時間を必要とはしなかった。
「楽しかったね、リョウくん」
「あぁ、また来ような」
コアラを見た後、順番にキリンなんかを見て回ってから、夢希の見たがっていた(イケメンゴリラと話題らしい)シャバーニを見て、それからカメなんかも見た。
帰る頃にはクタクタで、夢希は電車の中でウトウトとしていた。
「……」
電車に揺られながら小さく息を吐いた俺は、斜め下にいる夢希を静かに見ていた。
俺がこれまで夢希に言ってきた言葉は、全部ロウの受け売りだ。
でも結果、それがいつも夢希の心を掴んでいる。
やっぱりロウの洞察力は鋭く、これだけは敵わないと今でも思う。
「夢希、起きて?」
最寄り駅に着き、俺は優しく夢希を起こした。