15歳、今この瞬間を
「夢希、どのクラスが良かった?」

「え」

1年生の教室を全て通り過ぎたところで突然話題を振られたあたしは、何がなんだかよくわかっていなかった。

「どのクラスって…通り過ぎただけだもん、見てないよ」

「え゛⁈何だよ見てないのかよー」

「見てなんて言われてないし」

「あはは。確かにそうだ(笑)。じゃあいいや、ついてきて」

あたしのふくれっ面を見て笑った佐久田くんは、そのままの笑顔で来た道を戻りだした。

「……」

あ……まただ。

また、首の後ろを触ってる。

夏祭りの時もそうだったし、完全に癖なんだろうな。

「ふふ」

「なんだよ」

「別にー」

疎遠になっていた佐久田くんとこうして会話をしていることが、なんだか嬉しかった。

「なんだよ言えよなー」

「わ…わゎっ…!な、なに⁈」


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