15歳、今この瞬間を
「じゃ、決まりだな!よろしく頼むぜ、夢希」

「わっ…!」

あたしが驚いても知らん顔、佐久田くんは上機嫌であたしの手を取り、握手をするように上下にぶんぶん振っていた。

「オレらのことも、ロウとリョウでいいからさ!」

「……」

佐久田くんの、その手があたたかかったから…右手が解放された後あたしは、黙って頷いたんだーーー。



「で、夢希の家ってどの辺なんだ?」

仕方なく3人で歩く帰り道、佐久田くんがまた同じことを聞いてきた。

「別に…どこでも良くない?しつこいよ」

よく分からない同盟を結ばれたけど、別に友達になった訳じゃない、家なんか教えて何になるんだ。

どうせ最初だけ、1週間もすればきっとあいさつもしなくなる。

誕生日が同じだろうが、そこにあたしを巻き込まないで欲しい。

「良くねぇよ。夢希の家に向かってんだから」

はい?


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