15歳、今この瞬間を
あたしも仕方なく、出されたコーラを飲みながら同席していた。

「夢希ちゃんってこんなんでしょ、おばさん色々と心配だったの。でも転校2日目にしてもう友達を連れてくるんだもん、余計な心配だったわね」

自分の娘に"こんなん"って何だよ、失礼しちゃう。

あたしだって、何も考えていないわけじゃないんだから。

「小学生の頃は友達もそれなりにいたし、もっと素直でいい子だったのよ。明るくて良く笑う子で…。反抗期かしらね〜」

「うるさいよ」

あたしは、お母さんをジロリと睨んだ。

こういう、すっとぼけたところに相変わらずイラッとする。

あたしを転校ばかりさせるからでしょ、そろそろ気が付いてよ。

「菊谷くんだっけ?真面目そうだしイケメンだし、親御さんの育て方がいいのかしらね。夢希、結婚するなら菊谷くんみたいな子にするのよ?」

「ちょっとお母さん」

「はは…ありがとう、ございます」

菊谷くん、引いてるよ。


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