15歳、今この瞬間を
お母さんってば菊谷くんの顔をまじまじと見ながら言うんだもん、しかも結婚って…そりゃ引くよね。

「あははっ。夢希の母さんおもしれーわ!」

楽しそうに笑い出した佐久田くんを見たら、佐久田くんもあたしを見ていた。

「はは…ふ……あはは…ホントお母さん、おもしろい人」

半ばつられるように、あたしも笑った。


「夢希ちゃん?笑った…、笑った!」

買った物を冷蔵庫にしまっていたお母さんが、突然あたしの目の前まで来た。

「え?なにお母さん」

「なにじゃないでしょ!お母さん、夢希ちゃんの笑った顔を見るの、久しぶりなんだから!」

「いつぶりだろう」なんて言いながら、ひとりではしゃぐお母さん……そんなに笑っていなかったかな、あたし。

まぁ、どこにいても楽しくないし?

毎日がつまんなくて仕方ないのに、笑える方がおかしいってものだ。

「なぁ夢希」

「……」


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