15歳、今この瞬間を
◆リョウside◆


夢希の家から出た俺とロウは、来た道を並んで歩いていた。

俺とロウは幼馴染みってやつで、家も近所だから自然と帰る方向が同じになる。

「なぁリョウ、夢希ってさ、言いたいこと全然言わねーよな」

ロウがぽつりと、ひとり言のように話しかけてきた。

「そうか?まだ転校してきたばっかだろ?様子見てんじゃねぇの?」

「いや、親に対してもそんな感じじゃなかったか?」

ロウは、今度ははっきりと、よく通る真っすぐな声で言った。

「そうか?別にそんなこと、どうでも良くない?」

そう、俺にとってはどうでもいいこと。

今日だってたまたまロウと夢希が一緒にいるところを見かけて、面白そうだったからついて行っただけなんだ。

「…」

ロウは何かを考えるようにしながら、黙って歩いていた。

「…似てないか?」

そしてまた、口を開く。

「似てる?なんの話?」

唐突にモノを言われても、さっぱりわからないだろうが。


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