15歳、今この瞬間を
あたしの言葉を遮った声は、高すぎず低すぎずとてもキレイで、何の抵抗もなくあたしの中に入ってきた。

「し、静岡…」

そして、不思議とその声にに応えている自分がいた。

「そうなんだ」

「…」

隣の席の彼、佐久田くんを見たら嬉しそうに笑っていて、気が付けばあたしは口を開いていた。

「なんで…?」

「別に?井上さん大阪弁じゃないから、何となくそう思っただけ」

驚いた…気が付いた人がいたなんて。

「ふぅん…」

あたしは気のないふりをして、前に向き直った。

「オレはずっと名古屋だけどね。ま、えびふりゃーとは言わないけど(笑)」

「……ふ」

なぜだろう……あたしは、久しぶりに笑顔になっていたんだ。

久しぶりすぎて、顔の筋肉ガチガチで、ちゃんと笑顔になっていたかはわからないけど。


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