15歳、今この瞬間を
◆ロウside◆


「なぁリョウ…」

「んー?」

今日の空は高く、梅雨の真っ最中なのに良く晴れていたーーー。

学校からの帰り道、いつもの道をリョウと歩く。

「最近の夢希、調子良さそうだよな〜」

オレは空を見上げたまま、リョウに話した。

体育祭での一件で、少しずつではあるけど、夢希はクラスのみんなと話すようになっていった。

昨日から7月になったというのに、夢希ときたらいまだに笑顔がガチガチで、見てると笑えてくるんだ。

でもオレは、そんな夢希を見てるのが好きだったりもする。

夢も希望もないなんて言っていた夢希が、少しでも前を向いてくれている気がして。

「小野さんたちに夢希を取られて寂しいんだろ〜(笑)」

「そんなんじゃねーし!」

オレは、歩道の縁石から飛び降りた。

ま、リョウの言うことも外れてはいないけど。

期末テストの勉強だって、オレが誘った時には既に小野さんたちと約束してたし。

ラインもたまにしか返ってこないーーこれは前からだけど。


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