only



彼は教室から出ていった。




次々に生徒たちが入ってきて、黒板に貼られた出席番号順の席に座っていく。






なんで私になんか構うんだろう。
私といて良いことなんて一つもないのに、本当にヒーローなの?




だけど本音は





素直に嬉しくて。




笑顔を向けられたらどんなにいいだろう、って考えて。



空いていた心に温かさが戻ってきたようだった。


< 34 / 87 >

この作品をシェア

pagetop