私のきもち
2.どきどき
 一緒に寝たのは初めてでしたね。
 私は寝たふりをしていました。気づいていましたか?寝ようと思っていたけれど、隣にいるあなたのことを意識してしまって眠れなかったのです。わざとではありませんよ。ただ、ちょっとだけ、寝顔を見ていたいなとは思いました。寝ているあなたは、もちろん、無防備でとてもかわいらしい、いとおしいと思いました。

 私は最初、寝たふりをしていたといいましたよね。寝顔が気になって、ちょっとだけ目を開いてみたのです。その瞬間、顔が近くて思わず驚いてしまいました。私のほうを向いて眠っていたのは知っていたのですが、キスできそうなくらい近くにしたのもわざとなのでしょうか?なんだか、私だけドキドキしているみたいで悔しいような、悲しいような、そんな気がします。
 私はとても緊張していたのです。でも、あなたの体温が私に伝わってきたとき、とても安心しました。暖かい気持ちになれました。そのあと、すぐに私も眠ってしまったのでしょう。あなたが先に起きていましたね。私を起こすときは、もうちょっと優しく起こしてください。こちょこちょで起こすのはやめてください。びっくりします。私のことをからかうのが好きなあなたのことですから、しょうがないのかもしれませんね。
 起こされた後も、少しねむたいふりをして、あなたの気をひこうとしていたことに気づいていましたか?気づいていたのかもしれませんね。あなたは優しく頭をなでてくれましたもの。とてもうれしかったのですよ。また、寝たふりをしてしまうかもしれませんが、許してくださいね。 












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