俺と恋をしませんか?
べつに菅原とは友達じゃないし、他クラスで交流はないし、最初に話したきっかけなんて思い出せないぐらい印象がない。
でも親しくない俺に昨日みたいに話しかけてきたり、お菓子をくれたり、なつかれるようなことをした覚えはないんだけど、
アイツはどう見ても友達は少ないし、派手な女子たちからの情報交換もないし、周りから少し浮いた存在だから、おそらく本人は気づいてないんだろう。
クズな男に利用されてるだけの可哀想な彼女だってことを。
昼時の食堂。そこはもう戦国時代のように乱戦が繰り広げられている。
こういう時に背が高いのは有利だ。他のヤツらが埋もれてる時でも俺は頭ひとつ飛び出てるから余裕で息ができる。
「う、苦しい……」
そんな中、俺の胸で顔をしかめて浮上してきた女子生徒。
「あ、お、小田切くん。こんに……ちは」
こんな時でも挨拶をしてくる菅原の身長はおよそ150センチ。この人混みで生き抜くには小さすぎるほど菅原は小柄だ。