俺と恋をしませんか?


「とりあえずさ、これ食う?」

菅原に三色そぼろご飯を渡した。


「どうせ自分が食うものも用意してないんだろ。俺はカツ丼があるから食え」

強引に菅原に渡した。ビックリした顔をしてたけど、すぐにグーと腹の虫が聞こえてきて、菅原は恥ずかしそうに顔を赤らめた。


「いいんですか?」

「黙って受け取れ」

「……うう、ありがとうございます」

人には無条件でお菓子を突き付けてくるくせに、どうやら人から貰うことには慣れてないようだ。


ああ、なんだろ。この気持ち。

よく分かんないけど小学生の時に給食のパンを野良猫にこっそりあげていたときの気持ちに似てる気がする。


そうか。菅原はなんだか危なかっしいし、小動物みたいだし、純粋で無垢だから放っておけなかったのかもしれない。

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