君と共に
君と共に

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私は友達の〇〇が大好きだ。この気持ちは伝えるつもりなんて微塵もなく諦めるつもりでいたのだが…
「あー、疲れたぁ」
「お疲れ様。最近真面目だね。居眠りしないし…」
「夢絶対叶えたくってさ!」
「いいことじゃん。応援してるよ。」
「ありがとう!でも〇〇も真面目じゃん?」
「ん、まぁねー(笑)でもスマホいじってるよ?うち。」
「知ってる(笑)でも板書もちゃんと取る。」
「当たり前ー。テスト前困りたくないもん!」
「昔から思ってたけどやっぱ器用だね。うちには真似出来ん(笑)」
「真似しなくていいよ!てかしたらダメー」
「したくても出来ないから安心して。」
「よろしい」
そんな会話をしながら下校中だ。
私はこの時間が好き。勉強抜きに〇〇と2人きりでいられる。運がよければ帰りにご飯に付き合ってくれる優しい〇〇。
「あ!〇〇さん!」
そう〇〇の名前を呼ぶのは同じクラスの伊藤くん。誰がみても〇〇のことが好きなんだなってわかるんだけど…ちょっとそのしつこさに〇〇はストレスがたまってるみたいだ。
見かけたら即話しかけてくるのはもちろん、LINEも止まらないらしい…。
私は〇〇のこと好きだから伊藤くんの気持ちわからないでもないんだけど…〇〇に相談されると伊藤くんを否定する方向で答えてしまう。
「あ、◎さんもいたんだ!2人とも今帰り?」
「そうだよ」
〇〇は話したくないみたいで私が答える。
でも、伊藤くんは〇〇だけに話しかける。
完全〇〇は青ざめてる。
(ハァ大丈夫かなぁ?)
と心配しつつも嫉妬してしまう自分もいる。
かといい〇〇に嫌われたくないから伊藤くんを通じて自分の中で〇〇に対する接し方を学んでるとこもある。

「〇〇さん、俺も一緒に帰っていい?」
そんな誘いをNOと言える訳もなく〇〇は頷いた。
「やった!〇〇さんと帰れるなんて夢みたいだ。」
「あの、伊藤くん、私もいるけど?…」
「知ってるけど、それが何?」
私が声かけると途端に冷たくなる彼。
「いや、別に…浮かれてるから、知らないのかな?と思っただけ。」
と嘘をついた。ホントは伊藤くんにいて欲しくない。でもこれからを考えると、〇〇が困ることになっても困るし…断れない理由が顔を毎日合わせるから気まずくなる。だしね。
うちが断ってもなぁ…。
本当は私と〇〇の時間邪魔して欲しくなかったのに…

「邪魔って?」
伊藤くんがいきなり私に話しかけてきたのでびっくりした。
え?と驚いたように返すと
「いや、〇〇さんの時間邪魔して欲しくなかったのに…って言ってたからどういう事なんかな?って…」
「もしかして、声出てた?」
「うん。」
「マジか…〇〇は?聞いてたかな?」
「いや、なんかさっきから青ざめてるし、上の空じゃない?それに聞いてたとしても〇〇さんは嫌わないと思うよ。好きなんでしょ?〇〇さんのこと。」
「え、うん。でもなんで?」
「だって、俺が〇〇さんに話しかける度に睨むし…〇〇さんも俺に返事なかなかしてくれないし…両想いなんじゃないの?」
「いや、それは…〇〇が伊藤くんを避けるのはしつこいからだよ…両想いとか有り得ないから!だって〇〇同性愛とか無理って言ってたし…。」
「そうなんだ。でもそれって昔だよね?今はどうかなんてわかんないでしょ?」
「うん…そうなんだけど…やっぱり同性だし、嫌われたくないというか…気持ち伝えたらスッキリするのは分かってるんだよ。分かってんだけど…友達じゃいなくなるのは嫌だ。振られるのは構わない。成功する方が稀だし、ただ、振られた時にキモいとか思って離れていくのも、変に気を遣われるのも嫌だ…てか、なんでこんなに親身に聞いてくれんの?」
「あぁ。だって俺、いま〇〇さんよりあんたのことの方が好きだから。」
「え?でも〇〇にベッタリやったやん…」
「まぁ、〇〇さんの事はほんとに好きだったし、でも最近振り向いてくれないしな…」
「んなけの理由で?あんたの想いはそんだけだったの?」
「え?」
「あ、ごめん!好きな想いの大きさなんて人それぞれだよね。でも、知っての通り私〇〇のことが好きだから。伊藤くんとは付き合えない。」
その時だった…〇〇がいた。
「ごめん、聞いちゃった。」
「うん…」
「伊藤くんごめん、帰ってくれる?」
珍しくはっきりものを言う〇〇。
伊藤くんも状況を理解してるのか今回に限っては私に口パクで頑張れと言った後素直に帰っていった。
「聞いちゃったんだよね…私が〇〇のこと好きってこと。」
「うん。」
「それ、嘘でもなくほんとなんだ。ずっと伝えたかった。でも付き合えるわけでも結婚出来るわけでも子供うめるわけでもない。
したら、諦めるしかないって思ってた。でも、一緒にいる度優しさにどんどん惚れていった。嫌われたくない。離れて言ってほしくない。そう思うようになった。ずっと友達でいたいから、彼氏作ろうともした。したら想いが薄れるかなって…でも好きな気持ちって簡単に消えないんだね…こんな形で申し訳なさいっぱいだけど本当はずっと前から好きでした。付き合ってほしいけど、、そんなことは言えないから…ずっと友達でいたいです。」
彼女は無言のままだ。
「ごめん、こんなの気持ち悪いよね、、同性好きって…」
「別に。てか知ってたし…」
「え?」
「あんなにスキンシップされたり好き好きアピールされたら気づくよ(笑)だって1度も目合わせてくれないし、たまに固まるし、それに、心拍数めっちゃドキドキしてるの聴こえてる(笑)」
「同性だけど…偏見とかないの?キモイとかもう関わりたくないとか思わないの?」
「ないよ。もし、あったとしたらとっくに離れてる。あんたが同性愛というかバイってのは知ってたし薄々気づかせようとしてたもんね?(笑)
それにそんなん関係ないでしょ?ただ、性別が同じだっただけ。」
「〇〇…ありがとう」
「お礼言われること何もしてない。好きになるのは自由でしょ?それにうちも◎のこと好きだし。」
「え?…あ、友達としてかな?」
「違うよ…前言ったじゃん。」
「え?…前?」
「うちが男だったら◎と付き合いたいって思うよって言ったの覚えてない?」
そう、それは遡ること1ヶ月前、
学校帰りに〇〇のことが好きすぎて諦めないといけないと思ってた時期があり、彼氏探しをしてた時にうちのこと好きになってくれる人なんていないもんな…とボヤいた時に〇〇が言ってくれた言葉だ。
「あ、いや、覚えてるけど、あれは私に気遣って言ってくれたものだと思ってた」
「バーカ」
そう言い微笑む〇〇。
「◎鈍いからはっきりいうけど、◎がうちのこと好きなのずっと気がついてた。最初はどう対応していいか分からなかったけど、友達でずっといたいって思ってた。でもね、最近◎努力してるじゃん?可愛くなろうと。そんな◎見てたらなんか可愛く見えて気がつけば自分も◎のこと好きになってた。したら、◎の苦しみとかそういうのが何となくだけど、わかってきて…同性だし子供産めないのも知ってるし、結婚もできない。だけど付き合いたい。いや、付き合わなくてもいい。一生一緒にいたい。だからシェアハウスしない?私の感情だけで◎の人生の選択肢を狭くしたくないから、最終的には◎に決めてほしい。
これ、キモイかな?」
私は泣いた。涙が枯れるまで泣いた。
「キモくない。ないけど…」
「けど?」
「結婚はできない、法律の問題もあるけどそれ以前に私ができない。子供欲しいから。なんか二股みたいになっちゃうけど…いいの?って駄目だよね…」
「◎話聞いてた?付き合わなくていいんだよ。だから二股なんかじゃない。シェアハウスするだけ!そして、永遠の親友、Loveがあったとしても親友は変わらない、これ、二股になるん?」
「ならない…」
「うん。ならシェアハウス賛成でいい?」
「うん」
私はまた泣いた。この世でこんな嬉しいことはない。
「◎、、泣きすぎ!」
「だって…嫌われると思ってたから…あ、別に信じてなかったとかそういう訳じゃなくて‪‪汗‬」
「知ってる(笑)焦らなくていいから。」
「うん。でも今は○○しか眼中ないから付き合いたい…将来的には子供欲しいけど(笑)」
「そっか、じゃあこれからもよろしくね。」
「うん。」
こうして私達は付き合い始めた。
こんな私たちのルールは

゛好きな人(男)ができたら
そっちを優先してよし。

やきもちはやかない。
やきそうになったら素直に伝える

例え結婚したとしてもシェアハウスはやめない。結婚相手はシェアハウスに理解ある人。

束縛はしない。
となり、今でも幸せなシェアハウス生活を送ってます。
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