愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。

「俺だって楽しみにしてんだよ。お前とのクリスマス。久しぶりに満喫しようとして何が悪いんだよ」


俺はぶっきらぼうに言い、真っ直ぐ思いを突き刺した。

すると…、そんな眼差しに梨央が少し狼狽えたような素振りを見せてくる。


「私…、コウさんの邪魔になってない?重荷になってませんか?」

「アホか、何を今更。むしろ軽くて困ってるぐらいだ。もっと図々しく乗っかってこいよ」


俺は体制を起こし、梨央を仰向けにした。

熱のせいか潤んだ瞳がなんとも艶かしい。

俺は気付くと梨央の頬に手を添えていた。


「あんまりくだらねーこと言ってると、その呆れた口をキスで塞ぐぞ」


上半身起こしたまま、梨央を見下ろし追い詰める。

そのまま顔を近付けると梨央の瞳が強張るようにきつく閉じ、俺は鼻と鼻がくっつきそうなところでピタッとその動きを止めた。



「もっと俺に甘えろ」


そう囁いて、額にキス。

そのまま顔を上げると、ハッと目を見開いた瞳としっかり見つめ合った。


「お前の我が儘なんて可愛いいもんだ。もっと俺を困らせてみろよ」

「…コウさ……」

「甘えた分もっと大事にしてやるから覚悟しろ。遠慮は不要だ」
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