愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
次の日、昼近くに目を覚ました私はだいぶ体が楽になっていた。
コウさんはすでに起きており、その姿を視界にいれた瞬間ホッと胸を撫で下ろす。
約束通り、ずっと一緒にいてくれたんだと思うとやっぱり嬉しくてたまらない。
私は「おはようございます」と挨拶をしながらまずはシャワーを浴びることにした。
あれからけっこうな汗をかいたみたいで、熱が37度台へ下がったのを確認すると着替えをもってお風呂場へ。
コウさんがいやらしく「俺が洗ってやろうか?」なんて懲りずに言ってくるもんだから、私はべっと舌を出し間に合ってますと断った。
お風呂から出ると、コウさんがダイニングテーブルの椅子に座り、持参してきたタブレットの画面を何やら真剣に見つめていた。
手慣れた感じに操作をし、時々考える素振りをしている様子。
そんな真剣な横顔にドキッとする。
やっぱり不思議…
コウさんがうちの家に馴染んでる。
初めの時よりはだいぶ慣れたけど、それでもやっぱり変な感じがする。
こうしてるとまるで新婚気分を味わってるような。妙にそわそわした気分になってしまう。
もし、コウさんと結婚したらこんな感じなのかなって、甘い妄想まで膨らんでしまう私はちょっぴりいたいのかも。