愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
「…たくっ、げんきんなやつだな……」
「へへ、何とでも。あっ、あとイチゴも食べたいです。それとバナナも。それからヨーグルトなんかもあれば最高なんですけど」
背後から覗きこむようにしてコウさんを見ると、案の定彼は嫌そうな顔をした。
だけどそんなの気にしない。
だって自分の欲求を我慢せず、そのまま伝えるのは悪いことじゃないんだよね?
「私のお願い聞いてくれますよね?ついでに食材も色々と調達してきて貰えると助かるんですけど?」
「ずいぶん言うようになったじゃねーか」
「だって我慢しなくていいんでしょ?私の我が儘なんて可愛いもんだって、もう遠慮はしないことにしました」
昨日正直に話して良かったと思う。
一晩寝て私はだいぶ吹っ切れた。
そして胸のわだかまりがなくなっていた。
やっはり私の考え過ぎだったんだって、彼の愛情溢れる言葉が私の不安な気持ちを丸ごと全部消し去ってくれた。
彼は私の良いところも駄目な所も丸ごと受け入れてくれる人だって、ちゃんと分かることができたから、とてもスッキリした気分なんだ。