愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
たぶんすっごくゆるゆるな顔してる…
今の私、相当ヤバイことになってるんじゃないのかな?
思わず口元を緩めていると、またしてもコウさんの声が不機嫌に変わる。
「ずいぶん楽しそうでいいな。だがその余裕、いつまで続くか楽しみだ」
「えっ……」
再び唇を親指でなぞられて、ぞくりと体に電気がはしる。
そのままこめかみに指が滑り込み、頭をしっかり固定された。
「あんまり大人を煽ると後で後悔する羽目になるってことを分からせてやる」
再びギラリと光った瞳に私は…怯む。もしかして追い込まれてる?
今ので地雷とか踏んじゃった?
ギョット怖じ気づくと、すかさずもう片方の手もこめかみから頭を固定され、がっちり両方でホールドされる。
耳元にふっと甘い吐息がかけられて、ゾクリ…、身震いをした。
「梨央の家族、帰ってくるの明日の夜だったよな?」
「そ、そうですけど……」
「それまでまともに寝れると思うなよ」
ギョギョッと、瞳を大きく開く。
本気なのか、冗談なのか。いや…、これはかなりマジな感じ?
コウさんの舌が悪戯に耳朶を舐めてきて、私は体を硬直させる。