愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
「あの……」
「もう黙れよ」
「…んっ……」
追い込むような愛撫に言葉は弾かれる。
有無を言わせないコウさんのキスに観念し、戸惑いながら目を閉じた。
結局この日、ベッドへと強制的に連れ込まれた私はコウさんの深いキスに翻弄される羽目になった。
シングルサイズの狭いベッドに押し倒されて、キスをしたままパジャマのボタンを上から一つ一つ丁寧に外される。
その当たり前にこなす仕草が嫌になるほど男らしくて、顔を赤らめる。
「い、言っときますけど、私まだ本調子じゃ…」
「知ってるか?多少汗ばむぐらい体を動かした方が熱も早く下がるって」
それは都合のいい解釈なんじゃないですか?
そう思ったけれど、彼の指先が私の肌に直接触れるたび、嫌でも体が疼きだす。
私が何処をどうすれば気持ちよくなるのかをもう十分知り尽くしてるから尚更厄介だと思う。
「知りませんでした。コウさんって、意外と独占欲も強いんですね?」
「俺も意外だ。最近の俺は少しおかしいらしいからな」
「…そうですね…」
でも嫌いじゃない。
クールな彼の意外な一面を見るのはむしろ可愛い。
ちゃんと愛されてるんだって実感できるから、私は好き……。病み付きになりそうなぐらいだよ。