愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
だから…、私も負けじと彼に向かって手を伸ばした。コウさんのシャツのボタンに手をかけ外し、脱がそうと試みる。
それを見た彼の顔が一瞬緩み、優しく頭を撫でてくれた。
「いい心がけだ」
なんて笑うから、やっぱり照れる。
時々見せる彼の柔らかな笑顔は私をキュンと骨抜きにさせるから、嫌でも困る。
「たまにはお前からキスぐらいしろよ」
悪戯に耳元で囁く彼が憎らしい。
今日のコウさんはやっぱり違う。いつも以上に甘くて、意地悪だ。
身に付けていた全てを脱がされた私は両腕を伸ばし、彼の首に巻き付けた。
そしてそのまま彼の頭を引き寄せて自分から言われるままにキスをした。
それが引き金になったようで、そこからは何も言えなくなった。
コウさんが私の頭を両手で抱え込み、深いキスが繰り返される。
彼の吐息が熱かった。
触れる全ての指先に甘い痺れが舞い降りてくる。
熱い刺激に溶かされ、そしてほだされて、一つに繋がる直前彼は言った。
「梨央…、1ヶ月待っててくれないか?」
「…えっ……」
顔を覗き込むコウさんに私は不意を突かれたように目を開く。