愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。

「やっぱり手際いーよな」

「そりゃ、3年間一応主婦みたいなことしてましたからね」


あれはあれで大変だったけれど、今思えば女子力アップに繋がったのかもしれない。

朝昼晩と3食、よくもまぁあんなに好きでもない人の為に律儀に料理をこなせてたなって自分でも感心しちゃうもん。


「そう言えばコウさんって、今回の事件の犯人が慎ちゃんの元奥さん(由香さん)だってどうして分かったんですか?」


昨日から疑問に思ってたことを聞いてみた。

すると、コウさんは少し考える素振りを見せたけれど、意外にもあっさりと私にある1枚の紙を見せてくれた。

そこには…

【この家には二人の男を手玉にとっている性悪女がいる。この淫乱女!このことを近所中にばらされたくなかったら隣の家の男から手を引け…】と。

そんな内容を見て私はフリーズする。


「なんですかこれっ!」


しかもこれがポストに入ってたなんて言うから驚きだ。

まるであからさまな脅迫分。そしてその対象が私だということが丸分かりだから愕然とショックを受けてしまう。
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