愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
まさかここまで恨まれてたなんて…
やはりショックを隠しきれない。
だけどコウさんは言った。幸いなことに近所のポストにはこんな脅迫文は入ってなかったと。
それこそ不幸中の幸いでホッと胸を撫で下ろしたけれど…
「基本女の嫉妬は女に向かうことが多いからな」
コウさんも私と同じ事を思ってたようで、前にも何度か似たような事件を扱ったことがあったらしい。
彼はこの脅迫文を見た瞬間、すぐに慎ちゃんに関わる女性に目星をつけ、クリスマスを狙って何かしらアクションを仕掛けてくると予想してたみたい。
「彼女からしたら未練たらたらな元夫が他の女と楽しくクリスマスを過ごすかもしれないと思ったら、それこそ面白くはないだろ?」
「……そうですね……」
しかも思い返せば嫌がらせが始まったのもちょうど慎ちゃんが出戻ってきた時と重なることに気づいてしまった。
そうなるとすべてのことに納得がいき、私は肩を落としながら意気消沈してしまう。
「今回のことで勉強になりました。自分の知らない所で恨みをかってる場合もあるんですね…」
これにはさすがの私も参る。
回避のしようがない。
自分がどんなに気をつけてても、こういうパターンもあるのだと気付かされたらどうすることもできない。
「私って、人に恨みを買いやすい星回りに生まれたんでしょうか?」
宗一郎さんといい、今回のことといい、こうも立て続けだとさすがにダメージも大きい。
へこまずにはいられず、やっぱり深く肩を落としてしまう。