愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。

「お前は一人じゃない。何かあったらいつでも俺を呼べばいい。お前が俺を必要としてくれるならいつだって、何処にいても駆け付けてやる」

「し、仕事中でも?」

「ああ、だからもう遠慮はするなよ」


驚きと感動で言葉が出てこなかった。

コウさんの一言一言が胸に突き刺さり、私の不安を優しく取り除いてくれる。彼のたくましい優しさに涙腺の施錠が外れそうだったけれど、ぐっと堪え、小さく頷いた。


「そこまで言うなら頼りにしてます」

「何があっても俺が守ってやるよ」


その力強さが胸に染みる。

彼に言われると本当に安心できるから不思議…

それはコウさんが出会ってから本当にそうしてくれてるのをこの目で見てきたから。

彼に何度も助けてもらい、私の人生を良い方へと変えてくれた凄い人だからだ。

私の心は不安から温かいものに溢れ、気付いたら彼の背中に腕を回していた。


「じゃあ…、一生お願いしますね」


ぎゅっと抱きついた腕に力を込める。

半分は冗談混じりで、だけども残りの半分は期待を込めて甘えてみると、彼の返事はたくましく、やっぱり期待を裏切らないものだった。


「分かった」


その一言に涙腺が緩む。

まるで永遠の約束を交わしたようで、どうにもこうにも落ち着かなくなってしまったんだ。
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