愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。

ここでコウさんのことが出てくるとは思わなかったけれど、慎ちゃんは改めて彼のことを思い出してるようだった。


「あんなパーフェクトな人久しぶりに見たよ」

「……そう?」

「梨央が好きになるのも頷ける。男の俺が見てもかっこいいと思うからさ。なんていうか芯が1本通っててぶれない感じとかが特に」

「はは」


思わず笑っちゃったけど、コウさんのことを言われると恥ずかしい。でも好きな人のことを誉められるのはやっぱりこそばゆいというか嬉しいものだ。


「私もそう思う」


だから私も素直にそう言った。

確かに、あんな素敵な人に出会えたのは自分で言ってはあれだけど、奇跡なんじゃないかと思うもん。


「悔しいけど完敗だな。俺なんかが太刀打ちできる相手じゃないよ。お前いい男見つけたじゃないか」

「ありがとう」


照れながらレモンティーを一口飲んだ。

慎ちゃんのコウさんへとお褒めの言葉が止まらないから、恥ずかしくて視線をそっと反らしてしまう。

なんだか顔が熱くなってくるけど、それ以上に慎ちゃんの言葉が止まらない。
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