愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
入った瞬間、パァン、パァンと突然クラッカーの音が飛び散った。
そして「いらっしゃーい!」と元気のいい声があちらこちらから一斉に飛んできて、私は何事かと思わずその場で固まってしまう。
「随分派手な演出だな。ガキのパーティーかよ」
「まぁまぁ、そうケチつけなさんな。今日はめでたいお祝いの日じゃないか」
その言葉にハッとする。
よく見ると周りには見知った顔が勢揃いしていた。
弦さんはもちろんのこと、隣には敦士さんや唯さん。西田さんまでいて、他にも何人か知らない人も目に入り、ますます驚きの顔を向ける。
「あの、お祝いって……」
「わぁ、梨央ちゃん久しぶり〜」
私の言葉を吹き飛ばすように唯さんが唐突に抱きついてきた。
唯さんは私をギュウギュウ抱きしめると、「よく来たね」なんてとびっきり可愛らしい笑顔をくれる。
「ずっと会いたかったのよ」
なんて言われても突然のことに言葉を返せない。
だって、今はそれどころじゃなくて…