愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
「…えっと……」
「今日はね、晃一と敦士の昇進祝いなの」
「……昇進祝い?」
その言葉にまたもや驚いた。
その言葉を聞いてコウさんの方へと顔を向けると、彼はそんなことはさもどうでもいいようにクールな顔を醸し出している。
「別にそんな大したことじゃねーよ。こいつらが勝手に騒ぎ立ててるだけだ」
なんて言われてもなんのことやら。すぐに状況が飲み込めなかった私は唯さん達に誘導されるままコウさんと一緒に用意された席に座らされることに。
いつもは4人用のテーブルがほどよい感覚で横に3脚ほど離れ置かれているのだけど、今はそれが1つに繋がり長くて大きいテーブルへと変貌をとげている。
見るとそこにはお肉やサラダ、スープにパスタなど豪勢な料理が贅沢に沢山並べられていた。
「すご……」
「暇人かよ…」
「本当素直じゃないねぇ、真白くんは」
くく、と含み笑いを漏らす敦士さんはいたってご機嫌。
絶好調のようで、私に「そんな天の邪鬼はほっといて俺の隣に来る?」なんておどけていて、そんな様子を見ていた唯さんもクスクスと笑ってる。