愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
そっかぁ、敦士さんがパパに…
「俺もさ、これからますます家族の為に頑張らなきゃだからね」
「そうですよー。敦士さんならいいパパになりそう」
「……でも俺は寂しいっす」
そこへ西田さんが複雑な顔をして話に入ってきた。
片手にビールを持ちながら敦士さんの真後ろに立って悲しげな顔を向ける。
「何でよりにもよって二人同時に移動しちゃうんですか?俺は寂しいっすよ。これからどうすればいいんですかぁ」
もはや半泣き状態だ。
頼りにし、ずっと慕ってた先輩を失うのはこの上なく心細いらしい。
西田さんの話によると、コウさん達が今までいた組織犯罪対策課からも変わり、異動してもっと上の立場の役職につくらしいのだけど、
その課を仕切っていた二人が一緒にいなくなってしまうのは西田さん、他の人から見てもけっこうな痛手らしい。
それはそうだよね…。
なんて、西田さんの話を聞きながら納得してしまう。
私には今一よく分からない世界だけど、頼りにしていたエースが一気に二人もいなくなっちゃうってことだもん。
そりゃ、心細くもなるよ。