愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
最初からこのつもりだったんだと。
全ての行動の意味が分かったとき、歓喜余った私は堪えきれずコウさんの胸に抱きついた。
コウさんへの思いが溢れて止まらない。
「コウさん大好きです。これから美味しいご飯を沢山作ってあげますから楽しみにしててくださいね」
「ああ」
コウさんはそんな私を受け止め、まんざらじゃない言葉を返してくれる。
「実は私、4月から専門学校に通うことにしたんです。栄養士の資格がとりたくて。だから期待しててくださいね」
ちょっとしたカミングアウトだった。
もしかしてそれも両親から聞いてるのかと尋ねれば、さすがにそれは初耳だと彼は言った。
あれから、宗一郎さんの事件が一段落した私は今までずっと休息中だった。
両親もあんなことがあった後だし、暫く心身共に体を休めなさいと言ってくれていたからだ。
家の手伝いをしながら今後何をしようか、じっくり考えてる最中だった私は最近やっと自分のやりたいことが見つかった。
それが栄養士なわけで、大好きな人に栄養たっぷりの美味しいご飯を作りたい。
それが私のやりたいことの道へと繋がったわけだ。