愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。

「…コウさん……」


思わず顔を上げると、今まで見たこともない優しい表情した彼と視線が交じり合った。

そのまま額が落ちてきて、コツンと私のおでこに柔らかな衝撃が落ちる。


「分かったか?」

「っ…、お、お願いしまっ……」


鼻と鼻がくっつく距離で言われ、表情が崩壊する。

最後はやっぱり涙でちゃんとした言葉にならなかったけれど、それぞれの思いが重なり合った時、私は最高の武器を手に入れたような気がした。

何があっても信じられる最強の愛を。

そして今よりもっと強くなれる。優しくなれる。

彼は私が見てきたどの男の人よりも違う誠実さを持っている。

彼と一緒にいればきっと私は安泰だ。

コウさんとの未来にはそれぐらいの愛情の希望が見えるから。

これからも彼の隣で笑っていよう。

精一杯の思いやりと愛を込めて…。





end
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