愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
「風邪引く前に俺が温めてやろうか?」
彼女に触れたくて仕方がない俺はそんな言葉で彼女の自由を奪う。
左手は顎に添えたまま、滑り降りるように彼女のほっそりとした首筋に吸い付いた。
甘い痺れを与えてるはずなのに、むしろ俺の方が逆に快感を植え付けられてるようで。
もっと奥へと触れたくて、何度か首筋に痕を残した俺は欲望のままに上半身服の中に手を滑り込ませた。
「…あ、んっ……」
「そういやもうすぐだな、梨央の誕生日。何か欲しいものは?リクエストとかある?」
聞きながら張りのあるしなやかな肌をなぞっていく。
震える体に指を這わせて、何も答えない、いや答えられない彼女の耳元にもう一度意地悪く語りかける。
「……梨央?」
「っ、あっと、特には……」
最後まで言えなかった梨央はそこでようやく俺の手を掴み抵抗の動きを見せてきた。
羞恥で顔を真っ赤にし、強引に振り返った梨央が俺に向かってトンッと肩を押す。