愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
そう呟き目を細めて顔を緩めたおじ様を弦さんは少し安心したようにじっと見つめ返してる。
そして私の方を見て頷いた。
きっと大丈夫だと同意を求めたのだろう。
弦さんはそれ以上何も言わず、私はというとそれから静かに語りだすおじ様の話し相手になっていた。
話していて大丈夫だろうか?とも心配になったけど、次第に顔色が良くなり、落ち着きのあるトーンで話しかけられれば自然と会話も進んでいく。
初めて会ったのにまったく嫌な感じがしなかった。
むしろ丁寧かつ紳士的に話す人柄は私から見て好印象だった。
良く見ると渋くてダンディーなおじ様だ。
60手前ぐらいだろうか?というか、弦さんと同じぐらいにも見える。
研ぎ澄まされたような鋭い光りを含んだ眼。
一見怖そうに見えなくもないが、どこか不思議と親近感が沸いた。
それが何故だろうとその時の私は深く考えることはしなかったけれど、隣に座りながら時々相槌をうつ。