愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
「嬉しいです!コウさんありがとう。でも本当にいいんですか?」
「下手に浮気なんかされちゃ困るからな」
「……えっ?」
「こっちの話だ」
と、俺は素知らぬ素振りを貫き通した。
梨央はなんのことやら、はてなマークを浮かべていたが、俺が何も話さたがらないことを悟ると、最後にはやっぱり嬉しそうに笑った。
その笑顔を見ていると何故だか俺まで和み、楽しみに思えてくるから不思議なものだ。
……すると、その時突然梨央の携帯から着信の知らせがあった。
梨央はそれに気付き「ちょっとゴメン」と言い、鞄から携帯を取り出し画面を操作する。
「……慎ちゃんだ。しかも昨日から着信もある」
どうやらそれはメールのようで、梨央はその内容を早速確認しているようだった。
俺は運転しながらそんな様子を何となく横目で視界に入れる。
「わっ、そうだった……」
そう叫び、梨央が慌てて俺を見る。
「コウさんどうしよう?クリスマス先約があったかもしれない」
「は?」
「うちでね、ホームパーティーをやる計画が立ってるの」
「ホームパーティー?」
「うちの母がね、どうも今年は凄く張り切ってて、私に予定がないと思ってたのか隣に住む慎ちゃんも呼んで皆でパーっとやらないかって」