愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
「つーか今日は唯もくんの?」
「もう少ししたら来るよ。さっき連絡あったから。たぶん彩香(あやか)も一緒みたいだけど」
彩香もくるのかよ。
俺は一瞬怪訝な顔を向けてしまった。
そんな俺を見てやっぱり敦士が面白そうに笑う。
「まあまあ、いいじゃねぇか、腐っても元カノだろ?愚痴の一つぐらい聞いてやれよ」
「断る。あいつの酒癖の悪さならお前も知ってるだろ?」
彩香の姿を思い出してため息が出た。
確かに彩香は以前付き合っていた女だが。それは俺が20代の頃の話しだ。
今は綺麗さっぱりそんな関係は解消されてるし、去年やっと彼女はいい人を見つけ、結婚して新たな生活を送ってる。
「出来れば仕事以外関わりたくないんだよ」
「まぁまぁ」
そこへ弦さんが割って入り、カウンター越しから持っていたプリントを一枚俺らに見せてきた。
それは弦さんが考え作ったのか、クリスマスイベントのお知らせだった。
「へー24、25日でやるんですか。こんなの初めてじゃないですか?」
「今年はちょうど土日で皆集まりやすいと思ってな。どうだ、お互い奥さんや彼女連れてくるのもいいし、気軽に参加してみるのも悪くないだろ」