愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
それを聞いて西田が目を輝かせながら身を乗り出してきた。
「弦さんまじ神っす。これめちゃくちゃいいじゃないですか!独身の男には最高の一大イベント!ぜひ参加しまっす。可愛い子を沢山揃えといてくださいよ」
隣で敦士が笑ってる。
俺はそんな賑やかな光景を黙って視界にいれながら、先日梨央と交わしたやりとりを思い出す。
あれから梨央からの連絡はないが、あの件はどうなったのかと。
話しは進んでるんだろうか?
「晃一、お前も良かったら梨央ちゃん誘って連れて来いよ。彼女こういうの好きそうだろ」
「ああ、けど悪いが俺らはちょっと保留で」
「えー、梨央ちゃん来ないんっすか?」
「なんだ他に用事でもあるのかよ」
「まぁ、色々と」
そうやって誤魔化し、この場をやり過ごそうとしたものの、隣の敦士から何やら熱い視線が……。
それは全てを悟るかのようなムカツク視線。
「なんだよ」
「聞いてやってもいいぞ」
「なにがだよ」
「お前がこの数日苛立ってる訳を」
そのしたり顔がやけに鼻についた。
俺は正直苦手だった。この何でも分かりますって顔が。