愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
そしてそのまま梨央の肩に額を乗せた。
自分でも不思議なぐらい梨央に触れたい。そう思った。
「……酔ってるの?」
梨央がぎこちなく俺の背中に手を添える。
俺はより強く抱き寄せたい衝動に駆られ、やっぱりらしくない発言をする。
「少しな」
「甘えるコウさんって新鮮。写メ撮りたい」
「アホか」
「でもいいんですか?彼女あのまま放置しちゃって大丈夫なの?」
「べつに俺じゃなくてもあそこにいる誰かが適当に介抱するだろ」
「適当って……」
「俺がそばにいたいのはお前だよ」
「えっ…」
「だから俺から逃げんなよ」
梨央に背を向けられた時、ビックリするほど怖くなった。
そして焦った自分に驚いた。
彼女の存在がいつの間にかこんなにも大きくなっている。
それに気付いた時、俺は無意識にこんな行動をとっていた。