愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
だけど18才の冬、そんな私の初恋は宗一郎さんの出現であっという間に砕け散った。
今思い返せばたあの時のドライブが慎ちゃんとの最後の密会。
宗一郎さんが私の目の前に現れたのはそれから3日後のことで、その日を境に私の人生は大きく変わりだしたんだ。
あの日のことは今思い返しても胸が締め付けられる。
大切な人達と引き離された悲しみを。
好きでもない人に無理矢理抱かれた苦しみや絶望。
最後に「守れなくてごめん」と抱き締めてくれた慎ちゃんを心から好きだと思った。
別れ際、初めて慎ちゃんからの好きを貰えたとき、この気持ちだけは大切にしようと思った。
宗一郎さんに何もかも奪われたけど、私の気持ちだけは誰にもあげないと。
私の初恋は実らなかったけれど、この温かな淡い思いだけは大切に守ろうと思ったんだ。