愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
思わず息が上がる。
目の前がくらくらとする。
突然の行動に慌て、私なりに抵抗を試みたけれど、それを阻止するかのように今度は口内に舌が滑り込んできた。
ねっとりと絡み合う舌使いに体がビクッと反応する。
もがきたくても後頭部をしっかり抑えつけられてるせいで、それも許してもらえず、私は気の抜けた声しか出すことができない。
「…コウさ…苦し……」
それでもキスの合間にかろうじてそう呟けば、多少の息つぎはできた。
いつの間にかコウさんの膝の上で私は横向きに抱えられような体制になっており、彼から降り注ぐ深いキスを受け止めるのがやっとの状態だった。
「もっと苦しくしてやろうか?」
やっと解放されたかと思いきや、耳元でそんな言葉を落とされた。
耳朶を甘噛みされたらビクッとする。
ニヤリと意地悪く笑う気配を感じ、その言葉の意味が分かったのは彼の手が服の中に滑り込んできた時。
そして間をおかず首筋にも生温かい感触がして、私は「ひゃっ…」と声を上げる。
さすがの私も分かる。
今からコウさんが何をしようとしているか。
焦った私は慌てて我に返り、抗議の声を上げる。